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『実録!二代目奮闘記』  第話 管理職のバイト



総務部長に任命された忠志君。
まずは、社内規程類の整備を行いました。

労働協約の見直し、就業規則の見直し、賃金規定の見直し等々。
職務分掌の制定、職務明細の成文化。

一方、社員福利厚生の充実として文化体育委員会の設置。

それらのエピソードは改めてご紹介するとして・・・・・・

ある日、部下のタイムカードを確認いたしました。
すると、総務課長の仁野さんの遅刻が大変多いことに気づきました。
一月の内半分以上遅刻しています。

管理職は完全月給制ですから給料には影響しません。
それにしても、労働環境・条件を司る総務課長が毎日遅刻?

そんな疑問を持っているある土曜日(当時は週休1日制)、資材課の通称「トン子さん」が事務所内で
「次長、今日はいつもの所で良いのですね?」
資材課の向坂次長は
「おう、7時頃かな。」と言いますと、資材関連の社員の殆どが
「分かりました。」と相槌を打ちました。
忠志君は、これは課内のコンパだなと思い、
「私も参加して良いですか?仲間に入れてください。」と言いました。

誰も返事しません。
トン子さんは、眉間にしわを寄せ私の顔を見ながら離れて行きました。
とても、もう一度聞き直す状況ではありません。

「俺は、仲間として受け入れて貰えていないんだな。」と感じ、諦めた忠志君でした。

総務に優秀な女子事務員がいます。
忠志君より1つ下の正義感のあるキリッとしたお嬢さんで松下さんと言います。

「松下さん、資材課の人達が飲み会するようなんだけど、仲間に入れてくれと言ったら仲間外れにされたみたい。」と肩を落として忠志君は言いました。
「部長、無理ですよ。あの人たちは、部長を誘えない理由が有るんですよ。」
「えっ?何?」
「私が言ったと云わないでください。●●町(飲み屋街)にJINと言う店が有りますから、そこへ行けば分かります。」

はて?どういうことだろう。と思いながら、その夜忠志君はJINを探して町に出ました。
小さな街ですので、30分くらいで、とあるビルの2階にJINと書いたスナックを見つけました。

忠志君はそっとJINのドアを開けました。
そこで忠志君の眼に映った光景は驚くべき光景でした。

資材課の全員がカウンターで飲んでおり、隣りに外注先の社長が3名同席。
更に、驚くべき事は、カウンターの中にいるバーテンが仁野課長なのです。

一瞬にして忠志君は理解できました。

全員の顔を良く観察し記憶に残し、黙ってドアを閉めて忠志君は家路につきました。
その間、店にいた誰もが振り返って忠志君を凝視し、無言でいました。

そうです。
総務課長の仁野さんのお店で協力会社の社長さんが資材課の社員にタダ酒を飲ませているのです。

翌日、忠志君は仁野課長に問いました。
「あのお店は仁野課長のお店ですか?」
「そうです。でも、会社を退社をした後にお店をやってどこが悪いのですか!」
声を震わせ、顔を震わせ仁野課長は言い返しました。興奮すると顔を震わせるのは仁野課長の癖でした。

「副業・アルバイトは就業規則で会社の許可を貰うことになっています。社長の許可を戴いていれば問題ありません。」続いて忠志君は畳込む様に言いました。この辺が若さなのでしょう、利口さを発揮してしまうと不利であったり、年上であったり、勤続が先輩の方は攻撃的になってしまうのですが、まだ25歳の忠志君には無理でした。

「貴方は、毎日遅刻をしています。管理職は完全月給だからと言って、副業によって朝起きられずに遅刻し、協力会社の社長に自分の会社の社員への汚職の場所を提供することによって店の売り上げを得て、それが会社に迷惑をかけていないと言えるのですか! それが総務課長の有るべき姿ですか!」
「じゃあ、どうしますか、あなたが総務部長で上司だから私を首にしますか?」

言われたその瞬間に忠志君は切れました。

「私は総務部長でも解雇の人事権は持っていません。全て社長に報告します。決めるのは社長です。」忠志君も止せば良いのに、ドスの利いた低い声で言いました。
過ぎ去る忠志君の背中に向けて仁野課長は大きく首を震わせていました。

当然忠志君はこの件を直ちに社長に報告しました。
さすがの社長も顔面蒼白になり、仁野課長を即刻解雇しました。
ただ、他の社員と協力会社の社長については何のお咎めが有りませんでした。

しかし、人間の感情とは奇異な物で、忠志君が正しいことは誰もが解っていますが、喜んだのは製造現場で働く一般社員だけで、管理職と間接系社員は
「あいつは気に入らない奴は皆首にする。鬼だ。」
と、社内だけではなく、外注、飲み屋街で噂が流れ、
『赤城工業の忠志は、頭が良いらしいが悪魔の心だ。』と囁かれ始まりました。

これから、忠志君の苦悩は更に更に増して行きます。

つづく




 
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