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経営支援の現場から 似非コンサルタントによる被害救済 ②



前回ご紹介した若き女性起業家の事業再生をりょうゆう事務所が請け負うことになりました。

必要のない創業資金を、補助金で2/3を返済できると騙して日本政策金融公庫から借入れしてしまい、補助金手続きは放棄され、500万円の借金だけを残されてしまった会社。

しかも、わざわざ補助金申請のために法人化させられたという。

法人化による従業員の社会保険加入費用と、似非コンサルタントの月々の指導料が費用増となり、丁度その額分初年度から欠損決算となってしまった。

その似非コンサルタントに出会わなければ安定した業績を維持していたのに、その指導の性で1年にして経営悪化を招いてしまいました。

『私に任せれば補助金を貰えますよ。』などと言う似非コンサルタントに経営者の皆様ご用心ください。

東京のあるコンサルタントがホームページに
『東京一資金調達の上手なコンサルタント! それは補助金申請が100%通るからです!』と自慢げに宣伝しているコンサルタントが居ました。

くれぐれも、『私に任せれば補助金を貰えますよ。』などと言う似非コンサルタントに経営者の皆様ご用心ください。

経営・人生の緊急相談は、バナーをクリックしフォームメールにより年間無休24時間最優先でお受けします。




事業承継にお悩みの経営者の方は『後継ぎネット』へ御相談下さい。


りょうゆう事務所 北高崎無料相談所
〒370-0803 群馬県高崎市大橋町96-3   
電話番号:050-1057-4940 FAX:027-202-0911
E-mail:akaishi@ryoyuh.com




経営支援の現場から 似非コンサルタントによる被害救済



先日友人の紹介で若き女性起業家が相談に訪れてきました。

個人事業で創業し、それなりの実績を上げていた事業所でしたが、最近流行の〇〇の会などと言ういい加減な主催者による異業種交流会に参加して、自称女性経営コンサルタントと名乗る人を紹介され指導を受けたとのことです。

最近起業ブームで地方紙に紹介されたり、やたらと見た目の格好良いホームページで腕を組んだり、指を刺した派手なパフォーマンスの経営コンサルタントが増えておりますが、本当に経営を知っているのでしょうか?

どこかのコンサルタント会社にいたとか、金融機関に居たとか、国家資格を持っているとかカリスマぶっていますが、本当に自分で保証判を押して借入れした経験があるのでしょうか?

この方も、そんな似非経営コンサルタントに騙されてしまったようです。

よく、『私に依頼すれば補助金を受けられます!』と謳い文句にしているコンサルタントが居ます。
これは経営コンサルタントの風下にも置けない輩です。

特に運転資金調達の手段として補助金・助成金をあてにする経営を指導しようとすることは本末転倒で、経営者を騙す言葉です。
何故なら、健全に利益を確保し、成長できる経営体質を構築するための支援が経営コンサルタントの役割であり、自己資本金を増やすことにより如何に固定負債を減らして流動資産を増やすことが経営の健全化です。

その課程で何らかの事業革新に必要な投資に不足する資金を補助金や助成金で補うのであり、補助金・助成金有りきで経営計画を立案することはまるで間逆な経営です。
何故なら、補助金・助成金は投資額の2/3が一般であり、目的が跡付けであるということは、1/3を本来必要無い目的に先行出費するということです。
ましてや、その費用を業者と組んで実際には発生させない手口は、国民の税金で支給する補助金・助成金を国から搾取する詐欺行為です。

社会に対し役立とうとする経営者の苦しい状況に乗じてその一部を見返りに請求する自称コンサルタントの何と多いことか。
このような真に会社を再生、または支援する振りをするコンサルタントを似非コンサルタントと言わざるを得ません。

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『実録!二代目奮闘記』  第6話 社員様特別交際費 ①



第6話
総務課長に地元中堅繊維会社を定年退職された人柄の良い岩井さんという方が入社されました。

忠志君はホッとしました。

これから、総務、経理の責任者として業務遂行の自信がありませんでしたが、人格者の経理マンが来てくれたのです。

お蔭で落ち着いて経営分析や企画する時間が忠志君に生まれました。
ある日、月次の試算表を推移表にして分析を始めたところ、妙な数値が目に入りました。

接待交際費です。
現在、お歳暮・お中元は総務が見ていますから全額把握しています。
それ以外の接待交際費は、お客様の接待と業界のお付き合いしかありません。
業界のお付き合いは社長が殆どですので、残りは営業の大石くらいです。
2年前まで営業だった常務の端本は現在製造責任者ですから殆ど交際費はないはずです。

早速交際費の伝票を全部めくりなおして調査しました。
おかしなことに、『バー寿美』の未払い計上が毎月発生しています。

此の頃、会社の業績は順調に推移し始め工場の残業が多くなっていました。
昭和の50年前後は月100時間の残業はあたり前の様な時代です。しかも、年間休日は70~80日、有給休暇は殆ど消化されず、有給を取る人は仕事が嫌いな奴、出来ない奴とレッテルが貼られる時代です。

忠志君も毎日10時ごろまで残業をしています。
或る時、そろそろ帰ろうかなと思い、帰り支度をして工場を突っ切って帰ろうとしました。
工場建物は東西に約100mあります。

向上に入って最初に大型プレスラインを通ります。
続いて小型プレスライン。
休憩所に2~3人作業員が深夜残業で残っています。

「お先に失礼します。」と言って休憩所の脇を過ぎようとしました。

と、良い香りがします。
醤油を焦がした日本人の好きな香りです。

此の時代コンビニエンスストアなんてものはありません。
お店はどこも閉まっています。

冬でしたらストーブで何かを焼いていることもありますが、夏です。

不可思議な気持ちを抱いた忠志君は、
「良い香りがしますね。」と言いながら作業者に近づきました。

焼きおにぎりです。
それも小さめのきれいな三角形をした醤油もムラの無い見事な芸術的な焼きおにぎりです。
「ええ、夜食の差し入れを戴きました。」
「へえ、随分上手な焼きおにぎりですね。」
「まあ、プロの作った焼きおにぎりだからね。」
「ああ。どこの焼きおにぎりですか?」
「それは知らないけど、端本常務が手配してくれて届くんです。」
「そうですか。じゃあ、御先に」

忠志君は、端本常務の奥様が作ってくれているのかなと首をかしげながら帰宅しました。
何か不信を感じた忠志君は翌日の晩も居残り、夜9時半ごろに守衛室に座っていました。

すると、暫くして軽自動車が入ってきました。

「今晩は、どちらさまでしょうか?」忠志君は尋ねました。
「あっ、何時もお世話になっています。あれ?赤城部長じゃないですか。寿美です。」
何と、その顔はバー寿美の料理人さんです。

「こんな時間に何の御用ですか?」
「端本常務さんから深夜残業が有るから焼きおにぎりを届けるように言われまして持ってきました。」
「?????」

本日は、大分長くなりましたので、続く。






『実録!二代目奮闘記』  第5話 管理職のバイト




総務部長に任命された忠志君。
まずは、社内規程類の整備を行いました。

労働協約の見直し、就業規則の見直し、賃金規定の見直し等々。
職務分掌の制定、職務明細の成文化。

一方、社員福利厚生の充実として文化体育委員会の設置。

それらのエピソードは改めてご紹介するとして・・・・・・

ある日、部下のタイムカードを確認いたしました。
すると、総務課長の仁野さんの遅刻が大変多いことに気づきました。
一月の内半分以上遅刻しています。

管理職は完全月給制ですから給料には影響しません。
それにしても、労働環境・条件を司る総務課長が毎日遅刻?

そんな疑問を持っているある土曜日(当時は週休1日制)、資材課の通称「トン子さん」が事務所内で
「次長、今日はいつもの所で良いのですね?」
資材課の向坂次長は
「おう、7時頃かな。」と言いますと、資材関連の社員の殆どが
「分かりました。」と相槌を打ちました。
忠志君は、これは課内のコンパだなと思い、
「私も参加して良いですか?仲間に入れてください。」と言いました。

誰も返事しません。
トン子さんは、眉間にしわを寄せ私の顔を見ながら離れて行きました。
とても、もう一度聞き直す状況ではありません。

「俺は、仲間として受け入れて貰えていないんだな。」と感じ、諦めた忠志君でした。

総務に優秀な女子事務員がいます。
忠志君より1つ下の正義感のあるキリッとしたお嬢さんで松下さんと言います。

「松下さん、資材課の人達が飲み会するようなんだけど、仲間に入れてくれと言ったら仲間外れにされたみたい。」と肩を落として忠志君は言いました。
「部長、無理ですよ。あの人たちは、部長を誘えない理由が有るんですよ。」
「えっ?何?」
「私が言ったと云わないでください。●●町(飲み屋街)にJINと言う店が有りますから、そこへ行けば分かります。」

はて?どういうことだろう。と思いながら、その夜忠志君はJINを探して町に出ました。
小さな街ですので、30分くらいで、とあるビルの2階にJINと書いたスナックを見つけました。

忠志君はそっとJINのドアを開けました。
そこで忠志君の眼に映った光景は驚くべき光景でした。

資材課の全員がカウンターで飲んでおり、隣りに外注先の社長が3名同席。
更に、驚くべき事は、カウンターの中にいるバーテンが仁野課長なのです。

一瞬にして忠志君は理解できました。

全員の顔を良く観察し記憶に残し、黙ってドアを閉めて忠志君は家路につきました。
その間、店にいた誰もが振り返って忠志君を凝視し、無言でいました。

そうです。
総務課長の仁野さんのお店で協力会社の社長さんが資材課の社員にタダ酒を飲ませているのです。

翌日、忠志君は仁野課長に問いました。
「あのお店は仁野課長のお店ですか?」
「そうです。でも、会社を退社をした後にお店をやってどこが悪いのですか!」
声を震わせ、顔を震わせ仁野課長は言い返しました。興奮すると顔を震わせるのは仁野課長の癖でした。

「副業・アルバイトは就業規則で会社の許可を貰うことになっています。社長の許可を戴いていれば問題ありません。」続いて忠志君は畳込む様に言いました。この辺が若さなのでしょう、利口さを発揮してしまうと不利であったり、年上であったり、勤続が先輩の方は攻撃的になってしまうのですが、まだ25歳の忠志君には無理でした。

「貴方は、毎日遅刻をしています。管理職は完全月給だからと言って、副業によって朝起きられずに遅刻し、協力会社の社長に自分の会社の社員への汚職の場所を提供することによって店の売り上げを得て、それが会社に迷惑をかけていないと言えるのですか! それが総務課長の有るべき姿ですか!」
「じゃあ、どうしますか、あなたが総務部長で上司だから私を首にしますか?」

言われたその瞬間に忠志君は切れました。

「私は総務部長でも解雇の人事権は持っていません。全て社長に報告します。決めるのは社長です。」忠志君も止せば良いのに、ドスの利いた低い声で言いました。
過ぎ去る忠志君の背中に向けて仁野課長は大きく首を震わせていました。

当然忠志君はこの件を直ちに社長に報告しました。
さすがの社長も顔面蒼白になり、仁野課長を即刻解雇しました。
ただ、他の社員と協力会社の社長については何のお咎めが有りませんでした。

しかし、人間の感情とは奇異な物で、忠志君が正しいことは誰もが解っていますが、喜んだのは製造現場で働く一般社員だけで、管理職と間接系社員は
「あいつは気に入らない奴は皆首にする。鬼だ。」
と、社内だけではなく、外注、飲み屋街で噂が流れ、
『赤城工業の忠志は、頭が良いらしいが悪魔の心だ。』と囁かれ始まりました。

これから、忠志君の苦悩は更に更に増して行きます。

つづく





『実録!二代目奮闘記』  第4話 銀行の信用は誰?



一つの実績を上げた忠志君は、本職ではありませんでしたが総務を任されました。

総務の部長が退職したのです。
総務部長の大木さんは、地元の大手自動車部品メーカーから社長に引き抜きされてきた人でした。

大木部長は毎日9時出勤。殆ど1日何もしていません。


或る時、社長夫人(忠志君のお母さん)の久子さんは業を煮やし、
「あんな仕事をしない人に高い給料を払って!首にすべきでしょう!」
と社長に食って掛かりました。

「そんなこと言っても、こんな会社の状態の悪い時に彼を首切ったら銀行から資金を借りられなくなってしまう。」と社長の峯吉さんが久子さんに言いました。

忠志君が後から久子さんに聞いた話ですが、何時も強気の社長の峯吉さんが、業績が悪化してからは臆病になってしまい、何時も眼がオドオドしていたそうです。多分既に鬱状態になっていたのでしょう。
余談ですが、追い込まれてしまった経営者は、本人は気付きませんが殆どの方が鬱状態になっています。

久子さんは峯吉さんに怒鳴りました。
「何を言っているのですか! 実印を押しているのは貴方でしょう! 銀行は貴方を信用して、貴方にお金を貸しているのです。 大木ではない!」

実は、大木部長が社長に
「今、私の信用で銀行はお金を貸しています。」と耳打ちしていたのです。
技術屋である峯吉さんは、気取った雰囲気の銀行員嫌いの為銀行交渉を全て大木部長に任せっ切りだったのでした。

怒鳴られた峯吉社長はハッと我に戻り、即時に大木部長を解雇しました。

そんなことがあって総務部長が空席となり、売価交渉の裏立役者となった忠志君を総務部長に抜擢したのでした。

ここから、更に忠志君の苦悩の人生が加速します。